開発ストーリー

エンドレスパッド、製品までの長い道のり

それでは、パッドの開発から市販されるまでを簡単にご紹介しましょう。

長野県佐久市にあるエンドレス研究所では、構成物質の配合比や焼き方などを様々に変化させ製作されたテスト材をブレーキダイナモにかけて基本性能テストを行ないます。
ここで選ばれた摩擦材は、一定以上の性能は確認出来ている状態ですが、すぐに市販という訳には行きません。

数種類に絞り込まれた摩擦材は、テストパッドが製作され実車テストが行なわれます。
その中から、トータル性能の高かった物、1種類を選び出し一般路でのロングランテストを行ないます。
また、平行してサーキットでのテストも行い、前モデルや他メーカーパッドとの比較など新しい摩擦材の性能や性格を探って行くのです。

公道テストはその後、市街地から高速道路、ワインディング、雨の日の走行など様々な状況を想定して数千キロを走破して耐磨耗性などもチェックされます。
一般走行での不具合の許されない市販パッドの場合、耐候性や極低温での使用など、この工程は非常に大切なものです。

このようなテストによって 沢山の中から選び抜かれた摩擦材は、その後主要スポーツモデル用が製作され、各メーカー系のチームやショップの協力を得て様々なフィールドで最終テストが行なわれます。

しかし、この段階まで来たからと言って市販されるとは限りません。
新素材と製法のデータ取りで終わってしまう事も多いのです。
パッドは最先端技術と新素材を投入しても、簡単に出来る物ではありません。
地道なテストの繰り返しと情熱が新たなパッドを生み出すのです。

ニュル24時間レースなどで培われた、優れたシンタード(焼結合金)技術による高い制動力とコントロール性、耐久力の圧倒的な向上。
それこそ「エンドレスフィーリング」の体現でした!

エンドレスは膨大なデータと経験からバイク特有のステンレスローターにベストマッチさせる為、高性能マテリアルの代表であり、「スーパーハイブリッドシンタード」の名前の由来となった「カーボン」と「セラミック」と言う二つの素材を最適化させる事にしました。
特にセラミックは、マイルドセラミックとハードセラミックをバランスさせ、優れた制動力とコントロール性、タッチ、リリース性を高め、同時にブレーキローターへの攻撃性を抑える事にも成功した。

ENDLESSはモトGPライダーだけが扱えるカミソリのような効きではなく、スイートスポットを広く設定して上級者からビギナーまで安心してブレーキレバーを握ってコントロール出来るパッドを開発研究しております。

現在、素材や配合比、製造方法を工夫することによってタイプの異なる3種類の摩擦材をリリースしています。

スーパーハイブリッドシンタードは、スムーズな効きとコントロール幅の広さが優れており、ブレーキでの気持ちの良い減速感を味わってもらいたいと思っています。
耐摩耗性も高く、サーキットから市街地まで広くカバーする魅力があります。

レーシングシンタードPROⅡは、指先を少しかけた様な扱いやすさはスーパーハイブリッドと変わらないものの、そこから握り込んだ時の強力な効力の立ち上がりが心地よいです。
ディスクローターに食い込んだり、くっついたりする様な効きではないので、リリース製も良く優れたコントロール性を誇ります。

新しく登場したレーシングシンタードEVOは、今までのレーシングシンタードPROⅡの効きを高め、スーパーハイブリッドの耐熱性、耐摩耗性を兼ね備えた様な存在です。
ブレーキシステムや使い方によってはオーバースペックになってしまうことも考えられます。選ばれる際は使用目的を熟慮のうえご購入ください。



バックプレート一枚にも多岐にわたるこだわりの製造工程

ブレーキタッチを決定づけるバックプレートも拘りを持って製作されました。
炭素鋼という硬度の高い4mm厚の厚板(最適化を図りモデルにより3.2mm厚を使用)を使用しています。
一般的なパッドが使用するような安価な薄い鋼鈑の様にプレス型抜きが出来ない為、製作には時間とコストのかかるレーザーカットによる製作を余儀なくされました。
しかし、この製法により精度の高い素晴らしいフォルムと絶妙なタッチを生む高い剛性が得られました。

レーシング部門の完全なるフィードバックを可能とした手作業による製造環境

エンドレスの研究所内にある特殊なシンタード釜による特注製造を行なっています。
非常に高い技術と製造管理を要する焼結温度や加圧など、数少ない製品に技術者が徹底して手をかける事によって、
魂の宿った、ばらつきのない圧倒的な製品クオリティーが得られました。
もはや量産モデルとは呼べない、1ロット80枚、40セット、20台分という贅沢な造りです。

このような愚直とも言える作り故、モーターサイクル用パッドを発売当初は非常に高価なパッドと思う方も多かったようですが、現在では為替などの影響もあり、特に海外のスポーツモデルの純正パッドは非常に高価になっています。
リプレイスとしてでも選択肢の1つとして使用してみてください。
MadeinJapanの作りの確かさがわかって頂けると思います。

「スーパーハイブリッドシンタード」と「レーシングシンタードPROⅡ」との違いとは?
 そして、新たな摩擦材YZ590を採用した「レーシングシンタードEVO」とは?

今でこそ250ccでのレースになってしまいましたが、世界一ブレーキに厳しいと言われるツインリンクモテギサーキットで行われていたもてぎ7時間耐久レースはリッターレーサーレプリカモデルの高性能化に伴い非常にブレーキに厳しいいレースでした。

そこで、無交換で優勝が狙えるというコンセプトのもと完成したのが「スーパーハイブリッドシンタードパッド」で2006年に見事に実証して見せました!

しかし、もてぎ7時間耐久レースが小排気量のレースになった事によって、もはや通常のレースではオーバースペックとなった耐久性を少し落として、初期からの効きを全体的に高めて見たらどうだろうと企画開発されたのが「レーシングシンタードPROⅡ」なのです。

「スーパーハイブリッドパッドは」コントロール幅が広く、微入力からスムーズに効力が発揮され、リニアに握った分だけ、リリース感も握力に応じてわかり易く変化させられるので前後サスペンションの高さや荷重変化がわかり易く安心してしっかりと握り込めるパッドです。

一方「レーシングシンタードPROⅡ」は耐摩耗性はスーパーハイブリッドより劣りますが、メーカー純正パッド並みであるにも関わらず、コントロール性の良さはそのままに入力初期から全体的に効力を高めた性能となっております。
また、効力が高くはなっていますが、一部のレーシングパッドの様に唐突な効きはしませんので市街地やワインディングなどのスポーツ走行にも対応いたします。

そして、新たな摩擦材「YZ590」を使用した「レーシングシンタードEVO」の誕生です。
もはやリッタースーパースポーツは200馬力を越える時代となり、世界一ブレーキが厳しいと言われる茂木サーキットや耐久レースなどで更なるパフォーマンスが欲しいと言う要望に対してENDLESSの答えがこのパッドです。
コントロール性の良さに加え、卓越した耐摩耗性と効きの良さを体感してください。

「スーパーハイブリッドシンタード」「レーシングシンタードPROⅡ」「レーシングシンタードEVO」それぞれ上記の様な特徴があります。
お乗りのマシンやブレーキシステム、市街地や峠、どこのサーキットを走るかなどシチュエーションやライダーの好みに合わせて使い分けていただきたいと思います。

価格はスーパーハイブリッド、レーシングシンタードPROⅡは同価格。
レーシングシンタードEVOは1,000円プラスとなっております。









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